HOMEインフルエンザ > インフルエンザとは [なぜ毎年流行するのか]

インフルエンザ

インフルエンザとは

なぜ毎年流行するのか

インフルエンザウイルスの表面にはHA、NAという2種類の突起(たんぱく質)がありますが、インフルエンザは毎年流行るのは、この抗原性がよく変わるためです。

生体は抗原を見分けてそれにあった抗体をつくり感染を防いだり、回復を早めたりする仕組み(免疫機構)があります。予防接種もこの仕組みを利用したものです。しかし、抗原が変ってしまうと抗体は働かず、ウイルスが感染してその変化した抗原に見合った新たな抗体ができるまで、インフルエンザは流行します。

インフルエンザウイルスのこの抗原性の変化(抗原変異)には、2種類あります。

連続抗原変異(antigenic drift)・小変異

HAとNAは、例えば同じH1N1という亜型の範囲内であっても、遺伝子の突然変異によって、毎年のように抗原性がわずかに変化します。抗原性の変化が大きくなれば、A型インフルエンザに以前に感染して免疫があるヒトも、再び別のA型インフルエンザウイルスの感染を受けます。その変化が大きいほど、感染を受けやすくなり、症状も強くなります。この変異によって、インフルエンザは毎年流行し続けることができ、また、流行するウイルスの型が年によって変わってきます。

不連続抗原変異(antigenic shift)・大変異

A型インフルエンザウイルスは、数年から数十年単位で、流行株が突然別の亜型に替わることがあります。これが不連続抗原変異で、新型インフルエンザウイルスの登場になります。ヒトはこのウイルスに感染したことがないので誰も抗体をもっていないため、新型インフルエンザはあっという間に世界中に広がり、大流行になると考えられます。20世紀に大流行した3種のウイルスも新型ウイルスです。不連続抗原変異は、突然変異でなく、遺伝子の組替えによって起こります。

新型インフルエンザ

厚生労働省の新型インフルエンザ対策報告書によると、「過去数十年間にヒトが経験したことがないHAまたはNA亜型のウイルスがヒトの間で伝播して、インフルエンザの流行を起こした時、これを新型インフルエンザウイルスとよぶ」とされています。

ヒトに感染しない亜型のウイルスは、鳥類や他の哺乳動物がもっている(すなわち、宿主になっている)と考えられています。特に水鳥ではHAとNAの組み合わせがすべて見つかっており、自然宿主として重要であると考えられています。

また、ヒトのインフルエンザウイルスとトリのインフルエンザウイルスの両方に感染するブタは、不連続抗原変異においてかなり重要であると考えられています。ヒト、トリの両方のウイルスに感染したブタの体内で遺伝子の組替えが起こり、すなわちヒトとトリのウイルスがバラバラになったあと組替えられて、新たなウイルスが誕生します。その中には、ヒトに感染しやすいウイルスがあるかもしれません。

中国の南西部には、ヒトとトリとブタが共存する地域があり、そのため、この地域が新型ウイルスの発端と推定されることがよくあります。

ただ、最近では、スペインかぜのウイルスはトリからヒトへ直接感染したとする研究も報告されています。トリのウイルスがヒトウイルスに感染しているヒトに同時に感染すると、ヒトの体内で遺伝子交換が起こるおそれがあります。生まれたウイルスは、ヒトからヒトに効率的に感染できると思われ、世界的大流行が懸念されます。

新型インフルエンザ登場までの道
ワクチン

インフルエンザが毎年流行する原因のひとつにワクチンの性質も考えられます。

インフルエンザのワクチンは不活化ワクチンですが、不活化ワクチンの接種で血中にできる抗体(IgG抗体)は、抗原との特異性が高いため、ウイルスの抗原性が少し変化すると、その作用がなくなってしまいます。生ワクチンや不活化ワクチンでも感染部位に直接投与するのであれば、気道粘膜にできる抗体(IgA抗体)の特異性が低いため、少しくらい型が変化しても作用するそうですが、今のところインフルエンザにこのようなワクチンはありません。