空気が乾燥すると、繊毛運動などの、のどの粘膜の防御機能が低下してインフルエンザにかかりやすくなります。
また、空気中の湿度とインフルエンザウイルスの生存率について、相対湿度50%でウイルスの生存率が急速に低下するというデータがあります。相対湿度ですので、室内の温度により生存率への影響は多少あるかもしれませんが、部屋が乾燥しないようにすることによって、インフルエンザの感染を防ぐことができます。例え飛沫核が部屋に浮遊していても、ほとんどのウイルスは感染性を失っていると考えられます。
ただし、湿度が高くても数時間では10分の一近くのウイルスが生存している可能性があるので、まめに部屋を換気することも必要です。
湿度がインフルエンザの流行においても重要であるといわれており、絶対湿度5g/m³以下で流行が始まるという報告があります。絶対湿度5g/m³以下は、空気中に飛散したウイルスが6時間後に50%生存する条件で、冬期は気温が低いので絶対湿度が低く、このような条件になりやすいので、インフルエンザの流行が起こるというわけです。
咳やくしゃみなどで飛散したウイルスは、湿度などの環境条件に応じて徐々に感染性を失っていきますが、しばらくの間は、空気中を浮遊したり、環境の表面に付着して、感染する機会をうかがっています。
また、鼻水や唾液、痰などの分泌物がついた手で触れたりして、環境表面はウイルスで汚染されていきます。ウイルスはドアの取っ手、テーブルの表面で2時間あるいはそれ以上の時間、生存可能であることが知られています。
手で直接触れにくい場所や、十分な湿度があればインフルエンザウイルスの環境での生存期間は短いので、通常の清掃で十分だと考えられます。
よく手が触れる場所や、明らかに目に見える呼吸器分泌物(痰や唾液など)で汚染されている場合には、消毒薬を用いて拭き取っておく方がよいと思われます。
インフルエンザウイルスは消毒薬に対する抵抗性が強いウイルスではありませんので、ほとんどの消毒薬が有効です。アルコールはすぐに乾くので、広い範囲でなければ、環境表面を拭き取るのに便利です。
埃などは、のどを刺激して、のどの防御機構を弱くすることがあります。また、異物は細菌などが感染するきっかけにもなります。このような観点からも、環境の清掃は必要です。
インフルエンザを発症している人が使用した衣服にはウイルスが付着していることが予想されますが、感染を起こすことはまれだと考えられています。使用後は、通常の洗濯、乾燥をすればウイルスの感染性はなくなると考えられます。