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インフルエンザ

インフルエンザとは

インフルエンザウイルス

インフルエンザウイルスは、直径が1万分の1ミリ(100nm、1/10μm)の球形で、エンベロープという脂質でできた膜をもつウイルスです。ときに1,000nmほどの長糸状になることがあります。

1個のウイルスが細胞に感染して増殖すると、8時間後に約100個、1日で100万個になるといわれています。

インフルエンザのイメージ図

ヒトに感染性を示すインフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類あります。C型は軽いかぜ様の症状のみで、流行を起こすのはA型とB型です。A型インフルエンザはヒト以外に、トリ、ブタ、ウマに存在し、B型はヒトにのみ存在します。

また、ウイルスの表面には2種類の突起があり、この「抗原型」によってウイルスはさらに亜型に分類されます。Aソ連型とかA香港型といわれるのはこの亜型のことです。これらの突起は赤血球凝集素(HA)とノイミニラーゼ(NA)と呼ばれる感染のために重要なたんぱく質です。

赤血球凝集素(HA)

ウイルスを赤血球と混ぜると、ウイルスは赤血球表面にあるシアル酸に付着し、ウイルスの周りに赤血球が集まった状態になります。これはHA(ヘモアグルチン)によるもので、ウイルス表面の「スパイク」と言われることもあります。体内に侵入したウイルスの細胞内への取り込みは、このHAが細胞表面のレセプター(シアル酸)と結合することで起こります。細胞内に取り込まれたウイルスは、遺伝子(RNA)を放出し、その情報から新たなウイルスが作られ、細胞の外に飛び出して行き、感染が広がります。

ノイミニラーゼ(NA)

ヒトの細胞に付着したインフルエンザウイルスは咽喉などで増殖します。ただ、増殖したウイルスが細胞の外に飛び出そうとしても、細胞表面のレセプター(シアル酸)とHAが結合したままではウイルスは細胞の表面で死んでしまいます。そこで必要となるのが、この結合を切ってウイルスを細胞から外す物質で、「ノイラミニダーゼ(NA)」と呼ばれる酵素です。ザナミビル(商品名:リレンザ)やオセルタミビル(商品名:タミフル)はこのNAを阻害する抗インフルエンザウイルス薬です。

B型はHA、NAとも各1種しかありませんが、A型では、これまでHAに16種類、NAに9種類の大きな変異が見つかっています。亜型はH1N1のように略称で表現され、その組み合わせの数だけ存在します。これのうちヒトの流行の原因になることが分かっているのは、現時点でH1N1、H1N2、H2N2、H3N2の4種類です。これら以外の型がヒトに感染した例も報告されていますが、ヒトからヒトへは感染性は低いため流行には至っていません。

A型はHA、NAの変異が非常に多いので、国内および世界的大流行を引き起こしたり、症状が長引いたり、重くなることがあります。